はじめに
このコラムでは、ヴァータのサブドーシャについて解説していきます。
ヴァータ・ピッタ・カパの3つのドーシャ(生命エネルギー)を私たちの体は持っていて
それらは、それぞれの部位で働き、影響し合い、さらに補い合っています。
今回はその補い合う働きをサブドーシャと呼び、ヴァータのサブドーシャについてのご紹介です!
ヴァータのサブドーシャ
ここでは、ヴァータの5つのサブドーシャについて詳しく解説していきます!
ヴァータのバランスが崩れてしまうと、ピッタとカパの働きにも大きな影響を与えてしまいます。
その理由は、ヴァータが脳神経に似た働きをしていて、感覚神経や運動神経によって、体に動きを与えているから。
以下で5つのサブドーシャの位置や働きに加え、感覚神経なのか、運動神経なのかにも着目しながら解説していきます。
プラーナワータ
プラーナワータは感覚神経と運動神経に働きかけるサブドーシャです。
プラーナワータは体の上の部分にあり、胸や喉に動きを与えます。
そうすることで、知識や感覚器官、精神、脳を働かせ、タンやくしゃみ、ゲップ、呼吸、嚥下作用をするのがプラーナワータの働きです。
プラーナワータは息を吸って酸素を取り入れる働きがあるとして、ヨガをしている方には馴染みがあるのではないでしょうか。
知識や感覚器官、精神、脳への働きは感覚神経の働きで、タンやくしゃみ、ゲップ、呼吸、心臓、脳、嚥下作用の働きは運動神経によるものです。
ウダーナワータ
ウダーナワータは、特に感覚神経に働きかけ、少しだけ運動神経の役割もします。
ウダーナワータは胸(心)にあるサブドーシャです。
鼻や喉、へそに動きを与え、努力や皮膚の輝き、記憶力などの働きや、声を出す発声の働きをします。
心や精神に努力をしようという熱意を与えたり、皮膚を輝かせたり、記憶力を支えるのはウダーナワータの感覚神経の働き。
ストレスや緊張で胃が痛くなったり、うつ病になったりしてしまうのは、ウダーナワータの感覚神経が異常な働きをしてしまうためです。
さらに、声帯に動きを与え言葉を発する運動神経の働きもしています。
サマーナワータ
サマーナワータは、運動神経の働きをします。
アグニをサポートし、お腹全体(胃、十二指腸、小腸、大腸)に蠕動運動の動きを与えるのがサマーナワータの働きです。
お腹の部分では基本的にアグニが働いています。
アグニとは「火」という意味で、消化や代謝を行うピッタの一部です。
火は風がなければ燃えないように、ヴァータの風の性質がなければアグニは働きません。
ヴィヤーナワータ
アーユルヴェーダでは体のすべての運動機能はヴィヤーナワータといわれています。
ヴィヤーナワータは心臓(脳)にあり、1秒に120メートルくらいの速さで体全体を巡り、全身に動きを与えます。
たとえば、歩いたり、かがんだり、ジャンプをしたり、目を瞬きさせるなどの運動機能のことです。
アパーナワータ
アパーナワータは下腹部の運動神経の役割をします。
骨盤や膀胱、生殖器に動きを与え、精液や月経、大便、小便、胎児を外に出すのがアパーナワータの働きです。
脳神経の働き
ここではヴァータのサブドーシャと脳神経の働きと関係性について解説していきます。
現代医学的に、脳からは12対の脳神経が出ていて、それぞれ感覚神経と運動神経の役割があるとされています。
詳しく以下で見ていきましょう。
脳神経とヴァータのサブドーシャの関係性
アーユルヴェーダでは、ヴァータのサブドーシャには5つあると説明されていて、それらの働きは脳神経の働きに当てはめて考えることができます。
ヴァータのサブドーシャとは上記で説明してきたように、プラーナワータ、ウダーナワータ、サマーナワータ、ヴィヤーナワータ、アパーナワータの5つ。
12対の脳神経のどれが感覚神経や運動神経の働きをしているのか、また、サブドーシャはそれぞれどこに当てはまるのかを以下の表にまとめたので見ていきましょう。
・視神経:感覚神経 プラーナワータ
・動眼神経:感覚神経と運動神経 ヴィヤーナワータ
・滑車神経:運動神経 ヴィヤーナワータ
・三叉神経:感覚神経と運動神経 プラーナワータ
・外転神経:運動神経 ヴィヤーナワータ
・顔面神経:感覚神経と運動神経 ヴィヤーナワータ
・内耳神経:感覚神経 プラーナワータ
・舌咽神経:感覚神経と運動神経 プラーナワータ
・迷走神経:感覚神経と運動神経 5つすべてのサブドーシャ
・副神経:運動神経 ヴィヤーナワータ
・舌下神経:運動神経 プラーナワータとヴィヤーナワータ
ヴァータのバランスが崩れれば、ヴァータのサブドーシャの働きにも影響を与え、カパやピッタに動きを与えることができなくなってしまいます。
ヴァータは体内で一番重要な働きを担うドーシャ。
毎日の生活でセルフマッサージや睡眠をとってヴァータのバランスを整えましょう。
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