ビューティーテラピーサロンなどを営業する場合、商品を販売したいと考える方へ。このコラムでは商品を販売する場合に知っておくべき法律をご紹介します。目に見える商品だけでなくカウンセリングや食事のアドバイスなども当てはまってきますのでぜひ参考にしてください。
薬機法
薬機法の目的は、医薬品、医薬部外品、化粧品などの品質や安全性を保護するための規制です。
医薬品と医薬部外品、化粧品のどれに分類されるかによって効果や効能が異なるので、サロンで化粧品などを扱う場合、その商品が医薬部外品なのか化粧品なのかの判断ができることが大切。
医薬品は病気の治療目的のものであり、医師の処方箋が必要なため一般では扱うことはできません。
医薬部外品は厚生労働省が許可した効果・効能に有効成分が一定の濃度で配合されている予防や衛生目的。肌荒れやニキビに効く、美白化粧品、薬用などの文言が書かれている商品は医薬部外品になります。
化粧品は効果・効能が医薬部外品よりも緩和された商品であり、「清潔にする」「美化する」「魅力を増す」「健やか」などを文言にする商品です。
化粧品を取り扱う場合はこのような違いがあるので気をつけましょう。
化粧品の製造・輸入・販売について
化粧品の製造・輸入・販売を行う際には厚生労働大臣の許可が必要です。
製造業許可
化粧品を製造する場合や、製造を包装する場合には製造許可が必要です。
また、海外から輸入したものを日本の表示にするためのラベル張りする場合にも必須。
スリランカやインドなど海外で買ってきたオイルや化粧品などを販売する場合にも必要な許可になりますので覚えておきましょう。
製造販売業許可
製品を販売するために必要な許可です。
輸入してきた商品の箱を日本人好みに詰め替えたり、容量が多いから分割したりするためには製造販売許可だけでなく製造業許可が必要なので気をつけましょう。
個人輸入をして販売する場合は、これらの法律の注意が必要です。
化粧品の容器等の記載事項
化粧品は直接の容器に製造業者の名前や住所、成分などを表示する義務があります。
サロンでの注意事項
肌の状態に合わせてオリジナルの化粧品を作りたいという場合、化粧品製造になるので注意が必要です。
ワークショップで化粧水や石鹸などを作ったりしたい方も多いのではないでしょう。
その場合は、まず作り方の説明をしてからお客様に作ってもらうということが大切です。
健康増進法
健康増進法とは国民の健康増進を目的とした事項を定めたものです。
栄養表示基準
栄養表示基準(健康増進法第31条)は、消費者が食べ物を食べる時にどんな栄養が取れるのかがわかるように表示してください。という法律です。
受動喫煙の防止
受動喫煙防止(健康増進法第25条)では多数の方が利用する施設(病院、展示会、集会場など)を管理する方は、利用者に受動喫煙を防止するために必要なルールを設けることが義務付けられています。
健康増進に関する虚偽・誇大広告の禁止
健康増進に関する虚偽・誇大広告の禁止(健康増進法第32条)では、販売する商品が国民の健康に対する関心に対して重大な影響を与える恐れがある場合に適用されます。
薬剤師法
薬剤師法は薬剤師の資格や業務に関する規定。
薬剤師は免許が必要な職業です。
サロンでカウンセリングをする際はセラピストの範囲でアドバイスを行うように気をつけましょう。
専門家の判断が必要な場合は、自分の意見を言いつつも専門家のアドバイスを聞くように促すこともセラピストとして大切です。
食品衛生法
食品を扱いたい場合に必要な法律です。
サロンにカフェを併設したい方も多いのではないでしょうか。
食品を扱う場合の営業許可など各都道府県によって異なるのでしっかり確認するようにしましょう。
栄養士法
栄養士の資格は国家資格です。そのためセラピストとして食事のアドバイスをする場合も注意が必要。
自分の知っている知識や情報を最大限にお客様にお伝えしながらも、本当に正しいかどうかは定かではありません。
正しい専門家をお伝えすることもセラピストとしての仕事のひとつです。
製造物責任法(PL法)
製造責任法とは、製造物の血管により消費者の生命、身体・財産に関わる被害が発生した場合、製造者等の損害賠償責任について定めた法律です。
セラピストとして営業していく上で関係の薄い法律かもしれませんが、消費者としての立場として、物を買って欠陥があった場合に、消費者を守る法律であるとうことを覚えておくのは重要でしょう。
また、自分が作った物を販売する場合、その商品によって消費者に被害が生じると製造者本人が責任を負うことになるので注意が必要です。
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